2014年4月8日火曜日

米国の高等教育:大学に行く価値はあるのか?:膨れ上がる学費負担

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●ニューヨークのヤンキースタジアム(Yankee Stadium)で開催されたニューヨーク大学(New York University)の卒業式(2009年5月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/Emmanuel Dunand


AFP BB ニュース 2010年09月03日 14:09 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/2753046?ref=jbpress

収入と学歴、若い世代の女性で男性を上回る傾向に 米国

【9月3日 AFP】米国では女性の収入が男性の収入を下回る時代が長らく続いていたが、今やごく一部ではあるが、男性の収入に追いつき、追い抜く女性も現れている。
 ニューヨーク(New York)の戦略・リサーチ会社Reach Advisorsが3日までにこのような報告書を発表した。

 国勢調査データなどを分析した結果、収入が男性と同等か上回っている女性について、「20代シングル、子どもなし、大都市に居住、フルタイムで勤務」という女性像が浮かび上がった。

 こうした女性の収入は、同年代の男性の収入を平均で8%上回っていた。
 アトランタ(Atlanta)、メンフィス(Memphis)などの一部の都市では、約20%も上回っていた。

 フルタイム勤務の女性全体で見ると、平均収入は男性の収入の約80%の水準にとどまった。

■背景に学歴の逆転現象

 報告書は、若いシングルの女性の収入が男性を上回る傾向にある理由について、「高学歴」を挙げている。

 高校を卒業して大学に進学する人の割合は、男性が65%程度であるのに対し、女性は約75%。
 大学を卒業して大学院に進む女性の割合は、男性の1.5倍だ。

 修士号・博士号取得者における男女の比率は、2000年に女性が58%となり、初めて男性を上回った。 

 女性が高学歴になるにつれ、女性の結婚離れや出産離れが進んでいる。
 一方で、家を買うことには躊躇(ちゅうちょ)していないようだ。
 シングル女性のうち初めて家を購入した人の割合は、1990年代から2009年までに50%も増加した。
 2009年に初めて家を購入した人全体に占めるシングル女性の割合は24%だった。

 なお2009年、全世帯のうち子どもがいる世帯はわずか23%だった。

■女性はスポーツにも積極的に参加

 若くお金も持っている女性たちは、ファストフード店でヘルシー志向の利益率の高いメニューが拡大する傾向の立役者だ。
  ここ10年でスポーツ産業が活況を呈しているのも、こうした女性たちのおかげだという。

 例えば市民ランナーの人口は過去10年で41%も増加した。
 全スポーツ人口の増加分の93%は女性が占めている。

 若い男性はと言うと、ファストフード店では大半が、日本で言う「100円マック」のような低価格メニューを注文している。スポーツ参加率もほぼ横ばいだという。

(c)AFP/Karin Zeitvogel



2014.04.08(火)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40381

米国の高等教育:大学に行く価値はあるのか?
(英エコノミスト誌 2014年4月5日号)

 学費が無駄に終わる学位が多すぎる。
 学費がもっと安ければ、高等教育の投資利益率は高くなる。
 収入と学歴、若い世代の女性で男性を上回る傾向に 米国

 ラティシャ・スタイルズさんは、2006年に米国のジョージア州立ケネソー大学を卒業した時、3万5000ドルの学生ローンを抱えていた。
 ローン返済は、スペイン語の学位がもっと給料の良い仕事に就く助けになっていれば、難しくはなかっただろう。

 しかし、中南米に国境を接するこの国では、スペイン語を話す人材は余っている。
 そこでスタイルズさんは、衣料品店やファストフード店で働いた。
 時給はわずか11ドルだった。

 失望したスタイルズさんは、思い切ってケネソー大学に戻り、より実用的なことを学ぶ決断を下した。
 改めて金融を専攻し、今は投資コンサルティング会社で良い仕事に就いている。
 ローンは6万5000ドルに膨れ上がったが、返済に困ることはまずないだろう。

 スタイルズさんの例が示すように、「大学は行く価値があるか」という問いに対する答えは単純ではない。
 費用に引き合う学位もあるが、そうではない学位もある。
 高額の学生ローンを借りるかどうか考えている米国の学生に向けてよく言われるのは、
 「大学は中間層への入り口」という言葉だ。
 しかし、真実はもう少し微妙な色合いを帯びている。

 例えば、米国のバラク・オバマ大統領は今年1月に、職業を身につける方が「美術史の学位を取るよりたくさん稼げる」とほのめかす発言をした。
 怒った美術史の教授が大統領に謝罪させたが、大統領の言ったことは正しい。

 米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターによれば、フルタイムで働く25~32歳の大卒者の年収は、同年齢の高卒者と比べて約1万7500ドル多い。
 しかし、すべての学位が同じように役に立つわけではない。
 4年制大学で学位を得るのに、居住費等を含めて年間6万ドルもかかる場合があることを考えると、多くの学生にとって、18歳から仕事に就く方が、結局、経済的に良いということになる。

 調査会社の米ペイスケールは、900以上の大学の卒業生から専攻科目と現在の収入に関するデータを収集し、さらに、学位を得るためにかかった費用も調べた。
 費用は、学費支援分(多くの大学では、優秀な学生や困窮した学生に対して大幅に学費を軽減する措置を講じている)を差し引いて計算した。
 ペイスケールは、これらのデータから、様々な学位の投資収益率を推定した(次ページの表参照)。

 ■実用的な専攻は結果を得られる

 予想通り、工学を専攻すれば、大学を問わず見返りは大きい。
 カリフォルニア大学バークレー校の工学系の卒業生は、20年後までに、大学に全く行かなかった人と比べて110万ドル近く多くの収入を得ていることが期待できる。
 工学系ならば、20年間の回収額は、最低でも50万ドル近くが見込める。

 芸術と人文科学系の場合は、結果はそれほど一様ではない。
 いずれの分野も間違いなく心を豊かにしてくれるが、財布を豊かにしてくれるとは限らない。

 コロンビア大学やカリフォルニア大学サンディエゴ校のような厳しい大学の芸術系の学位なら、十分な見返りがある。
 しかしケンタッキー州立マーレイ大学の芸術系学科を卒業した場合、学費分を差し引いて考えると、20年間の収入は高卒者と比べて14万7000ドル少ないと予測される。

 ペイスケールの調査に含まれた153の芸術系の学位のうち、46の学位の投資収益率は、20年物国債の収益率に及ばなかった。このうち18の学位は、投資収益率がマイナスだった。


 
 

 ペイスケールの調査で下位にランクされた大学は、このランキングが各校の比較的少数の卒業生のデータに基づいて作成されていることに、間違いなく不満を抱くはずだ。

 いくつかの大学は、地元の労働市場の影響を不当に受けている。
 例えば、マーレイ大学は、ケンタッキー州の経済が好調ならもっと上位に入ったかもしれない。

 すべての学生に門戸を開いている大学は、学生を選別している大学と競うのは難しい。
 裕福でない大学は、多くの学費支援を行っている豊かな大学と比べると不利になる。
 学位をとるための学費が下がれば、投資収益率は高く見えるからだ。

 これらの但し書きはすべて正しい。
 しかしそれ以上に、ペイスケールの調査は全体的に、大学教育の金銭的な価値を明らかに過大に計算している。
 この調査は、卒業生の収入を、同じ学生が大学に行かなかった場合(その時の収入は知り得ない)と比較するのではなく、大学に行かなかった人と比較している。

 そして、行かなかった理由は多くの場合、それほど優秀ではなかったからだ。
 つまり、大卒の収入の高さは、彼らが非大卒者より平均すれば優秀であることの反映にすぎないという面がある。

■膨れ上がる学費負担

 間違いなく言えるのは、1人の学生が大学に通う費用は、1983年以来インフレ率の5倍近く上昇していること、そして大卒者の給与は、過去10年間ほとんど横ばいだったことだ。
 学生時代の借金が大きくかさむようになったために、若者が家を買ったり、事業を起こしたり、子供を持ったりしなくなっている。

 2012年に学士号を得た学生が借り入れた平均負債額は2万9400ドルだった。
 非営利団体のプロジェクト・オン・スチューデント・デットによれば、借り入れをした学生の15%が、返済を始めて3年以内にデフォルト(債務不履行)に陥っている。
 営利大学の場合、この比率は22%になる。

 大学の法学部で教鞭を執るグレン・レイノルズ氏は、『The Higher Education Bubble(高等教育バブル)』と題した著書の中で、「社会保障を受け取れる年齢になるまで、両親の家の地下室に居候する羽目になるかもしれない」大卒者たちのことを書いている。

 この話は少々大げさだ。
 今年入学する学生の学生ローンは、返済を続ければ、20年後には帳消しにされることになっている。
 しかし、多くの学生にとって依然負担は大きい。
 学生ローンを利用した学生の3分の1近くが結果的に大学を中退するという状況もマイナス要因だ。
 それでも借金は返さなくてはならない。

 また、3分の1の学生は他校に転校する。
 4年制大学では留年する学生が多く、それだけ費用もかさむ。
 4年制大学全体で、6年以内に卒業する学生の比率は59%にすぎない。

 米国の厳しい労働市場も足を引っ張る。
 コンサルティング会社の米マッキンゼーの報告によれば、最近大学を卒業した人の42%が、4年制の大学教育を必要としないレベルの仕事に就いている。
 米国のトップレベルの大学を出た人の41%が、自分の希望する分野で仕事を見つけられず、全大卒者の半分が、別の学科か、別の大学を選べばよかったと回答しているという。

 マッキンゼーの調査には、学生支援ウェブサイトを運営する米チェグが協力した。
 チェグのダン・ローゼンスワイグ最高経営責任者(CEO)は、大卒者の中で専攻した分野での仕事に就く準備ができていると感じているのは半分にすぎず、また大卒者が即戦力になると感じている管理職は39%しかいないと話す。

 多くの学生は、ものごとを明確に書く力がなく、時間を有効に使うことができない。
 求職者が雇用者の求めるスキルを持っていないという理由で、400万の求人が欠員となっている。

■大学に評価を付ける

 ペイスケールが行ったような調査は、数々の欠点はあるものの、大学進学を考えている者(とその両親)がより多くの情報を得たうえで進路を選択する助けとなる。
 米国人は、選択を間違えるとどれほど損害を受けるかを認識しつつある。
 そのため、大学にこれまで以上に透明性を求めるようになるはずだ。

 一部の大学は、連邦政府の指導もあり、情報を提供し始めている。
 例えば、テキサス大学は最近、卒業生の5年後の収入と借金の額を表示するウェブサイトを立ち上げた。

 オバマ大統領は4月2日、
 「機会を与えるということは、大学を、経済的により行きやすいものにするということだ」
と語った。
 やがて透明性の要請と技術の進歩が、多くの大学に、費用削減と質の向上を迫ることになる。
 オンライン教育がその流れを加速するだろう。

 2012年には670万人の学生が少なくとも1つのオンライン科目を受講した。
 オンライン教育は、学生が豪華な学生寮や大人数の大学職員のためにおカネを支払わずに質の高い講義を受けることを可能にする。

 オンラインの授業が、伝統的な大学に取って代わることはないだろう。
 顔を合わせて行う授業には、やはり価値がある。
 しかし、大学も順応しなければならない。
 経済的な価値を提供できない大学は、きちんと体制を整え直すか、さもなければ消え去るしかない。

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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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ウォールストリートジャーナル     2014年 4月 16日 16:41 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304126604579504901060510912.html?mod=trending_now_2

米職業ランキング1位は数学者、最下位は? 2014年版
By     ADAM AURIEMMA


●木材伐採者がワーストジョブに

 また1つ、数学のスキルを身に付けなければならない理由ができた。 

 雇用市場では言うまでもなく数学的技能が重視される。
 ある採用担当者は最近、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に、
 計算できない従業員はいずれ「永久解雇通知」を手にする
かもしれないと話した。

 米求人情報サイトのキャリアキャスト・ドットコムが発表した2014年版「ベスト・ジョブ」ランキングでは、最も良い職業は数学者だった。
 同サイトのトニー・リー氏は「数学のスキルがあれば就職の機会は大きく広がる」と述べる。

 数学的技能を要する職業は軒並み上位にランクインした。
 統計学者は3位、保険数理士(アクチュアリー)は4位、コンピューターシステムのアナリストは8位だった。

 キャリアキャストによると、数学者の年間中位所得は10万1360ドル(約1030万円)。
 しかも、この分野は向こう8年間で23%拡大する見通しだ。
 保険数理士やソフトウエア技術者も高収入で、いずれも約9万3000ドルの中位所得を期待できる。

 キャリアキャストは4つの項目を設定した上で、項目ごとに200種類の職業を採点した。
 4項目とは、競争の激しさなどの環境、下位・中位・上位の役職ごとの所得水準、所得や就業者数の伸びの見通し、出張や締め切りといったストレス要因だ。

 今年も下位には、インクの染みにまみれた新聞記者やおのを振るう木材伐採者が並んだ。
 ランキングによると、彼らはいずれも新技術の登場によって市場から締め出されている。
 所得額は木材伐採者の方が少なく、中位所得はわずか2万4340ドルだ。

 あまりに見通しが暗いために今年のリストから除外された職業もある。
 れんが職人、タイピスト、定置機関運転技師、自動車組立工などだ。

 2014年のベストジョブとワーストジョブは以下の通り。

<ベスト職業と中位所得>

1. 数学者、10万1360ドル
2. 大学教授(終身在職権付き)、6万8970ドル
3. 統計学者、7万5560ドル
4. 保険数理士、9万3680ドル
5. 聴覚訓練士、6万9720ドル

6. 歯科衛生士、7万0210ドル
7. ソフトウエア技術者、9万3350ドル
8. コンピューターシステム・アナリスト、7万9680ドル
9. 作業療法士、7万5400ドル
10. 言語聴覚士、6万9870ドル

<ワースト職業と中位所得>

200. 木材伐採者、2万4340ドル
199. 新聞記者、3万7090ドル
198. 下士官兵、2万8840ドル
197. タクシー運転手、2万2820ドル
196. アナウンサー、5万5380ドル

195. コック長、4万2480ドル
194. 客室乗務員、3万7240ドル
193. ゴミ収集人、2万2970ドル
192. 消防士、4万5250ドル
191. 刑務官、3万8970ドル