2014年3月31日月曜日

ロボットの台頭:技術の新たな役割を担う、人間による一部の労働が不要になる可能性がある

_

●ロボットという概念が大きく変わろうとしている〔AFPBB News〕



2014.03.31(月)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40317

技術の新たな役割:ロボットの台頭
(英エコノミスト誌 2014年3月29日号)

 ロボットの侵略に備えよ。
 ロボットはいずれ、技術に対する人々の考え方を変えるだろう。

 ロボットがこの世に登場したのは、20世紀初めのことだ。
 自動車や電話、飛行機が向こう見ずなジャズ・エイジのスピードに乗って急速に進歩していた当時、ロボットは、作家や映画製作者が技術というものに対する希望や恐れを掘り下げるための文学上の装置だった。

 フリッツ・ラングの『メトロポリス』やアイザック・アシモフの『われはロボット』から、映画『ウォーリー』や『ターミネーター』、そしてその間に生み出された無数の同種の作品は、その役割を見事に果たしてきた。

 ページ上やスクリーン上から現実の世界へ移ってからのロボットは、やや期待外れのものだった。
 確かにロボットたちは、火星探査などの人間にはできないいくつかの仕事と、不発弾処理や床の掃除といった人間があまりしたがらない多くの仕事をこなしている(約1000万台ものロボット掃除機が世界中の絨毯の上を動き回っている)。

 ロボットは製造業の各所でも大いに役に立っている。 
 だが、信頼性の高いロボット――特に工場の安全ケージの外で働く必要のあるロボット――を作るのは、簡単ではないことが分かっている。
 そのうえ、ロボットはまだ、かなり頭が悪い。
 従ってロボットは、人々を魅了してはいるものの、まだ世界に大きな足跡を残してはいない。

 だが、その状況も変わりそうな兆しが見えている。
 シリコンチップやデジタルセンサー、広帯域通信の性能の急激な進歩が、ほかのあらゆる製品と同様、ロボットも進化させている。
 それに加えて、今週の本誌(英エコノミスト)の特集でも触れているように、さらに3つの要因が働いている。

★.1つ目は、ロボット工学分野の研究開発が容易になっていることだ。
 新たな共通規格のおかげで、優れたアイデアを別のロボットプラットフォームへ簡単に移植できるようになった。
 また、ノウハウの蓄積により、そうしたプラットフォームの構築にかかる費用も以前よりずっと安価になっている。

 米リシンク・ロボティクスの「バクスター」は、2本の腕と極めてシンプルで直観的なプログラミングインターフェースを備えたロボットだ。
 このようなロボットは、10年前ならほとんど想像もできなかっただろう。
 いまや、2万5000ドルでこのロボットを買うことができる。

■C3 IPO

★.第2の要因は、投資だ。
 2013年最大のロボット関連ニュースは、米グーグルが、ロボット分野の有望な新興企業8社を買収したことだ。

 潤沢な資金と優れたリーダー(モバイル基本ソフト「Android=アンドロイド」の生みの親であるアンディ・ルービン氏)を擁し、クラウドコンピューティングと人工知能という、いずれもロボットと極めて関連性が高い最先端の専門技術を利用できるグーグルのロボットプログラムは、目を見張るような何かが生まれる可能性を約束している。
 もっとも、同社の外には、それがどんなものになるかを知る者は誰もいない。

 米アマゾンもロボットに投資している。 
 倉庫内作業を自動化しているほか、こちらはより投機的だが、無人飛行機(ドローン)による配送も計画している。


●米アマゾンは無人飛行機(ドローン)による配送も計画している〔AFPBB News〕


 韓国をはじめ世界各地の企業も、ロボット技術を製造の新分野に導入し、サービス分野にも目を向けている。
 ベンチャーキャピタルがロボット関連新興企業から利益を上げるチャンスは、以前よりもずっと大きくなっている。

★.第3の要因は、想像力だ。
 ここ数年で、頭の回る企業が、映画撮影でカメラ台の操作係や照明係として働くロボットや(カメラや照明を動かすロボットがなければ、『ゼロ・グラビティ』は撮影できなかっただろう)、太陽光発電所のパネルを設置するロボットを作る方法を編み出してきた。

 今後はさらに多くの人が、高精度、高速反応、自律運動といったロボットの特性を収益性のあるビジネスに組み込む方法を会得していく。
 最終的には、大衆市場を構築する者も出てくるはずだ。

 その点では、飛行ロボットのドローンが先駆けになるかもしれない。
 ドローンはいずれ、農作業の新たな形態を生み出し、大小様々なイベントで一般市民やジャーナリスト、放送局に新たな視点を提供し、交通や火災を監視し、補修が必要なインフラを探し、それ以外にも多くの仕事をこなすようになるだろう。

 消費者や一般市民という観点で見れば、人々はロボットの進歩により大きな恩恵を受けるだろう。
 だが、労働者という観点では、恩恵はそれほど明確ではない。
 なぜなら、ロボットの能力が高くなれば、人間による一部の労働が不要になる可能性があるからだ。

 例えば、米エイソンの「タグ」は、病院で使われるワゴンを必要な場所へ移動させるロボットで、現在、用務員が行っている仕事の大半を奪おうとしている。
 アマゾンは、買収したキバ・システムズの倉庫作業用ロボットで、これまでよりも少ない作業員で多くの商品を発送できるようになる。
 無人自動車は、現在ハンドルを握っている無数の労働者に取って代わるかもしれない。

 近代以前にはほぼすべての仕事を提供していた農業分野の雇用が、現在では先進国の雇用のわずか2%を占めるにすぎないのと同じように、
 現在の製造およびサービス業界の雇用も、ロボットの躍進で縮小を余儀なくされるかもしれない。

 人類が新たな労働力の使い道を見つけるのか、あるいは未来は強制的な余暇に明け渡されるのか。
 その点については、経済学者の間で、懸念を大いにはらんだ議論が交わされている。
 いずれにせよ、称賛も非難も、ロボットが受けることになるだろう。

■目に見えないものと見えるもの

 ロボット技術の優れた力は、ある程度までは当たり前のものになるはずだ。
 車が自動運転されたり、床が勝手に掃除されたり、補給品が病院やオフィスを動き回ったりするのは、ごく自然なことになる。
 そうした作業の基盤となるロボット技術は、ロボットという形では人の目にはつかないだろう。

 だが、ロボットはいずれ、無機質な環境に動きを与えるだけでなく、仕える相手とともにそうした環境に暮らし、あらゆるニーズを満たすようになる。
 バクスターのようなロボットは、モノを作ったり運んだりする手助けができるし、介護をしたり、安らぎのため、あるいは話し相手となるだけのロボットも出てくるだろう。

 日本製の赤ちゃんアザラシ型ロボットは、撫でると嬉しそうな反応を見せ、人の声を聞き分ける機能を持ち、高齢の認知症患者の役に立つと見られている。

 ロボットが目に見えるようになればなるほど、人類は、フィクションで最初に提示された類の疑問を議論するようになるだろう。

 どんな戦争も、人間が戦わなければならないのか? 
 同情を抱き、寛大さを示すことができると同時に、戦術上のあらゆる必要性を超えるほど残酷にもなれる人間は、戦争に必要なのだろうか(既に米国では、ドローンを遠隔操作する操縦士が勲章に値するか否かという議論が起こっている)? 

 人生の最期に感じる優しさが、機械によって与えられたものでもかまわないのか? 
 ほとんどの、あるいはすべての人間の労働が無用になったら、人間の努力の尊厳をどう保てばいいのか?

 技術の進歩の究極的なゴールを、個人や企業や政府が抽象的に議論するのは難しいものだ。
 アシモフら優れた洞察力の持ち主は、そうした疑問は、技術が擬人化され、その顔が見えるようになれば、問いかけやすくなることを見抜いていた。

  ロボットは労働者やパートナーとして機能するだけでなく、ちょうど故郷の惑星を外から眺める宇宙旅行者のように、新たな視点の提供者にもなる。
 とりわけ人間が、理解に近い何かを湛えてこちらを見返すロボットを目にする時には、新たな視点が生まれるはずだ。
 そしてその時は、いつかきっと訪れるだろう。

© 2014 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
Premium Information





2014年3月30日日曜日

プリンタインクはシャネル5番の2倍の値段:フォント変えれば数百万ドルの節約に

_

●フォント変えれば数百万ドルの節約に


CNN ニュース 2014.03.29 Sat posted at 12:13 JST
http://www.cnn.co.jp/usa/35045853.html

フォント変えれば数百万ドルの節約に、米14歳が政府に提言

(CNN) 米ペンシルベニア州ピッツバーグの中学生スヴィア・マーチャンダニ君(14)が、文書を印刷する際に使用する文字書体(フォント)を変えるだけで、ごみの削減とコスト節約を同時に実現できる、との画期的な研究結果を発表し、注目を集めている。

 この研究は、中学校の科学のプロジェクトとして始まった。
 スヴィア君は、中学校でもらうプリントの量が小学校の時に比べかなり多いことに気付いた。
 環境維持の促進にコンピュータ科学を応用することに関心を持つスヴィア君は、紙とインクの消費量を最小限に抑える方法を模索しようと考えた。

 これまで、紙のリサイクルや両面印刷によるコスト削減や資源の節約は議論されてきたが、学校の授業で使用するプリントに使われるインクのコストにはあまり焦点が当てられなかった。

 スヴィア君によると
 「インクの価格は、フランス製の香水の倍以上高い」
という。
 たしかにシャネルNo.5の1オンス当たりの価格は38ドルなのに対し、ヒューレットパッカードのプリンター用インクは75ドルもする。

 そこでスヴィア君は、インク代の削減方法をプロジェクトのテーマにすることに決めた。

 スヴィア君は、教師が配るプリントのサンプルを集め、最も頻繁に使用される5文字(e,t,a,o,r)に着目した。
 そして各文字が、ガラモン、タイムズ・ニュー・ローマン、センチュリー・ゴシック、コミック・サンズの4つの書体でどのくらいの頻度で使用されているかを図表にし、市販のソフトを使って各文字に使用されるインクの量を調べた。
 さらに、異なる書体で書かれた同じ文字を拡大印刷し、各書体で使用されるインクの量をグラフ化した。

 その結果、ガラモンを使用することにより、学区全体のインクの消費量は24%減り、年間2万1000ドルものインク代が節約できることが分かった。

 スヴィア君は教師に促され、この結果を公表しようと考え、2011年のハーバード大卒業生によって創刊された「新しい調査員のためのジャーナル(JEI)」に出会った。
 JEIは中学生や高校生の研究発表のためのフォーラムを提供している。

 JEIの創設者の1人であるサラ・ファンカウザー氏は、2011年から200件近くの応募があったが、スヴィア君のプロジェクトは傑出していたと語る。
 ファンカウザー氏はスヴィア君の発見を現実世界に応用できないかと考え、スヴィア君にこのプロジェクトを連邦政府のコスト削減に応用するよう持ち掛けた。

 連邦政府の印刷コストは年間18億ドルに上る。
 スヴィア君は米政府印刷局のウェブサイトから5枚のサンプルページを入手し、テストを繰り返した。
 その結果、学校の場合と同様、書体を変えれば費用の節約になるとの結論に至った。

 米一般調達局の推計では、米政府全体のインク代は年間4億6700万ドルに上る。
 スヴィア君はこの数字を基に、仮に連邦政府がガラモンを使用すれば、それだけでインク代総額の約3割に当たる年間1億3600万ドルの節約になると結論付けた。
 また州政府も追随すれば、さらに2億3400万ドルを節約できるとしている。

 政府印刷局のメディア・広報担当マネジャー、ゲイリー・サマセット氏は、スヴィア君の調査結果について「注目に値する」としながらも、印刷局の環境維持の取り組みは、コンテンツのウェブへの移行が中心だとし、書体の変更については明言を避けた。




2014年3月26日水曜日

次期ロケット「H3」開発:50億円ロケット、6年後に1号機の打ち上げ予定

_


NHKニュース 3月26日 5時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140326/k10013240251000.html

 次期ロケット「H3」開発は三菱重工に
 

 来年度から開発が始まる日本の次期基幹ロケット「H3」の開発と打ち上げを担う事業者として、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、現在のH2Aの製造などを行っている三菱重工業を選定しました。

 「H2A」に代わる日本の次期基幹ロケット「H3」の開発が来年度から始まることを受けて、JAXAは、ロケットの開発と打ち上げを担う民間事業者を先月から公募してきました。
 その結果、現在、H2Aの製造と打ち上げを担っている三菱重工業以外に手を挙げた企業はなく、H3の開発などについても、三菱重工業を選定しました。
 JAXAなどによりますと、「H3」は、液体燃料を使ったメインエンジンに、固体燃料の補助ロケットを組み合わせる計画で、打ち上げコストは、およそ100億円かかっていたH2Aの半額程度を目標としています。
 H3の開発は来年度から始まり、JAXAでは6年後の2020年の1号機の打ち上げを目指しています。

2014年3月14日金曜日

オーストラリアの歴史を変えた考古学的発見「ムンゴマン」:

_
 

●考古学的発見「ムンゴマン」


International Business Times 2014年3月10日 14時44分 更新
http://jp.ibtimes.com/articles/55345/20140310/151123/page1.htm

オーストラリアの歴史を変えた考古学的発見「ムンゴマン」、現地の声

 この記事は、シドニーの西700キロのムンゴ湖で発見された人骨についての物語である。

 現在のムンゴ湖は本当の湖ではなく、砂の乾燥地帯である。
 しかし、2万年前までは、魚や水鳥の繁殖するラグーンだった。
 アボリジニーにとって狩りがしやすく、資源も豊富な場所だった。
 当時の人間は巨大カンガルー、大きなウォンバット、巨大な鳥であるエミュと土地をシェアしていた。

 パーカンジ(Paakantji)系のアボリジニーのグラハム・クラーク(Graham Clarke)氏は、ムンゴ湖のガイドをしている。
 同氏は、
 「私たちのすぐ足の下に人間が埋葬されている確率は90%です。
 化石化したユーカリの木が発見されることもあります」
と砂の上を歩きながら、オーストラリアの歴史について説明した。
 遺物は、砂の動きによって、消えたり現われたりするという。

 同氏は
 「あなたに別の物語を教えましょう。
 私はあなたにコインの反対側を見せたいのです。
 なぜならば、人々はコインの片側だけを見ながら成長し、決して反対側の視点をみる時間を作りません」
と語る。

 同氏は、天気について描写をしながら、科学と夢を混ぜて語ってくれた。
 時間理論を説明し、「人類のアフリカ起源説は、冗談に過ぎません」と述べた。

 同氏は、子どもの頃、母親から聞いた話を教えてくれた。
 同氏の母は、
 「考古学者たちは、自分たちが優れていることを示したり、業績を作ったりするために大きなことを言うものだ。
 彼らは歴史を作り、それを利益のために売る。
 しかし、私たちの先祖は、この土地に数千年間いた」
と話していたという。

 ムンゴマン(Mungo Man)が発見されたのは、ちょうど40年前だった。
 地質学者であるジム・ボウラー(Jim Bowler)氏が、ムンゴ湖で骨を一式発見した。
 (最も、アボリジニーの人々がよく知っているものだった。彼らはオーストラリア大陸に数えられないくらい長い期間暮らしている。)

 ボウラー氏がムンゴ・マンを発見する前は、アボリジニーは約2万年前にアジアからオーストラリアに来たというのが定説だった。
 ムンゴマンの発見は、少なくともその歴史を2万年長くした。
 そして、儀式的な埋葬から、洗練された文化がアフリカから離れた土地で展開されていたことが証明された。

 その後、さらなる考古学的な発見により、ムンゴ湖周辺では5万年前に人が住んでいたことがわかった。
 ムンゴ湖は、先史時代における人間の進化を理解するための、重要な考古学的スポットのひとつになった。

 しかし、ムンゴマンが発見されてから40年間、アボリジニーたちは、不本意な時期を過ごしている。
 現在、ムンゴマンは、オーストラリア国立大学のロッカーに収納されている。
 科学者たちは、ムンゴマンの研究を10年以上前に止めている

 現在80代になるボウラー氏は、メルボルンにある自身のアパートメントで
 「骨は40年以上、オーストラリア国立大学に保管されています。
 40年は長い期間です。
 科学者として、私は骨がムンゴに返されるときだと考えます」
と語った。

 ボウラー氏が研究をムンゴ湖で始めたとき、その場所に住んでいるアボリジニーはいなかった。
 彼らは、数十年前に制度的に移住させられていた。
 つまり、ムンゴマンと、ムンゴマンよりも少し若い女性であるムンゴレディーは、伝統的な所有者が知ることなく、その地から持ち去られた。

 ボウラー氏は、
 「ムンゴマンのことが報じられたとき、気分を害したアボリジニーもいました。
 ある年配のアボリジニーは、私に『あなたがムンゴマンとムンゴレディーを発見したのではありません。
 彼らがあなたを発見したのです』と言いました。
 それを聞いたとき、私は骨を丁重に扱わなければならないと思いました」
と当時を振り返る。

 ムンゴマンは、アボリジニーたちの権利運動が盛んになった初期のころに発見された。
 アボリジニーの活動家はすぐにその発見をスローガンに取り込み、「私たちはここに4万年以上いる」と書いたTシャツを作った。
 これは、1970年代の権利運動の呪文のひとつとなった。

 ムンゴ湖のガイドであるクラーク氏は、かなり頻繁に現地を訪れる人物のひとりである。
 しかし、同氏は、何かを発見したとしても、その新発見について話さない。
 ときには目印を残すこともある。
 しかし、ほとんどの場合、ただ通り過ぎ、骨を砂に還す。

 考古学者からみれば、データを放置することは考えられないことである。
 しかしクラーク氏は、ムンゴの骨たちが安らかであることを好む。
 分析は必要ない。
 ラベルもいらない。
 40年間、大学に保管されることもいらない。

 ちなみに、ムンゴ湖には、盗掘の問題もある。
 最近、ラ・トローブ大学が実験として、ニセの遺物を砂に埋めた。
 すると2週間後、ほとんどの偽物の骨が消えていたという。

記者:Mark Johanson、翻訳者:臼村さおり |
 *この記事は、米国版 International Business Times の記事を日本向けに抄訳したものです。   



wikipediaから

 ムンゴマン(Mungo Man, Lake Mungo 3)はオーストラリアニューサウスウェールズ州のムンゴ湖畔で、1974年に発見された、約4万年前(更新世)に生きた人類の化石。
 その年代については議論が残るが、現在のところオーストラリアで発見された最古の現生人類の化石とされる。
 近年のミトコンドリアDNAを用いた分析の進歩により、人類進化のアフリカ単一起源説に対する新たな情報を提供しうる発見として注目された。

 1974年2月26日、ウィランドラ湖地区(世界複合遺産)の一部であり、ムンゴ国立公園に属する乾燥湖ムンゴ湖畔地域の砂丘の移動によって露出された事により発見された。

 発見された時、その表面には顔料の一種でもある赤オーカー(鉄分を含み、赤く黄ばんだ粘土)が振りかけられた様に存在していた。
 これは人類の最初期の洗練され装飾的な埋葬の儀式を物語ると考えられている。
 この発見はこれまで考えられていたより遥かに前から、ある種の文化的伝統がオーストラリア大陸に存在したことを示し、特にこの地に先住してきたと考えられ、そのルーツとの関連で注目されるアボリジナル・オーストラリア人において意味があったとされる。
 儀式的に葬られた遺骸としては世界最古の例である。
 また近くで発見された、人類最古の火葬をされたとされる「ムンゴレディ」はムンゴマンとほとんど同時代の人類と考えられている。

発見者のメルボルン大学教授は、ムンゴマンは42,000年前に埋葬されたとみている。




2014年3月9日日曜日

水害に強いミニEV「フォム」:タイで生産販売開始、24時間水に浮く車

_
 

 
 




ニューズウイーク 2014年3月7日(金)14時30分
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2014/03/post-3207.php

水害に強いミニEVがBOP市場を席巻する日

水害が多い東南アジアの地域特性に着目した電気自動車(EV)を、日本の小さなメーカーが開発した。
スズキ自動車出身の鶴巻日出夫が率いる小型EVベンチャーが共同開発した「フォム」だ。
タイで現地生産し、来年10月から販売を始める。

フォムは、ガソリン換算で1リットル当たり燃費96.7キロの4人乗り超小型EV。
モーターを2つの前輪に組み込み、スクーターと同じバーハンドルを取り入れ、ブレーキペダルとアクセルペダルをなくして簡単に運転できる設計にした。

水害が多い東南アジアでは自動車の水没が珍しくなく、1度水没すればかなりの割合で廃車になる。
フォムは車体をボートのような浮きやすい形にデザイン。
24時間までなら水に浮くことができ、ジェット水流発生装置で移動もできる。
エンジンと違い、酸素を必要としないモーター駆動だからできた設計だ。

EVの課題であるバッテリーは、家庭でも充電できるカセット式を採用。
3時間の充電で約100キロを連続走行できる。
販売価格は当初は100万円未満、ゆくゆくは50万円以下にしたいと鶴巻は語っている。

低所得層を狙って新市場開拓を目指すBOPビジネスの成功のためには、製品の安さだけでなく複数の方法で現地に価値を提供する必要がある。
その点フォムは安いだけでなく環境に負荷のかからないEVで、しかも地域を悩ます洪水にも強い。

東南アジアで浮上できれば、いずれ先進国のメインストリートを走る日も来るかもしれない。

[2014年3月 4日号掲載]



2014年3月7日金曜日

ビットコイン考案者「中本氏」を特定、64歳日系米国人 米誌

_

●ビットコイン

 
 ●ナカモト氏


AFP BBニュース 2014年03月07日 07:33 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3009905?pid=0

ビットコイン考案者「中本氏」を特定、64歳日系米国人 米誌


●香港(Hong Kong)で初めてオープンした仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」が使える小売店(2014年2月28日撮影、資料写真)。(c)AFP/Philippe Lopez

【3月7日 AFP】(一部更新)米誌ニューズウィーク(Newsweek)は6日、幾年にもわたり謎とされてきた「中本哲史(Satoshi Nakamoto)」として知られる仮想通貨ビットコイン(Bitcoin)の考案者の正体を特定したと報じた。
 この名前はこれまで「偽名」と考えられてきたが、なんと本名であることが分かったという。

 同誌の記者は、ロサンゼルス(Los Angeles)郊外の質素な2階建て邸宅で暮らす鉄道模型が好きな「ドリアン・S・ナカモト(Dorian S. Nakamoto)」という名の64歳の日系米国人物理学者にたどり着いた。

 だがナカモト氏はビットコインの考案者であることは直には認めず、記者が玄関のドアをノックした際には、警察に通報したという。
 だが、同誌によると、ナカモト氏は
 「もうそれには関与していない。話すことはできない」
 「既に他の人々の手に渡っている」
と述べ、ビットコインの発明に貢献したことを暗に認めた。

 同誌によると、ナカモト氏は1949年に日本で生まれ、10年後に米国に移住した。
 カリフォルニア州立技術専門大学(California State Polytechnic University)で物理学を学び、米政府や政府の下請け企業でシステムエンジニアとして機密職務に従事するなどしたが、2002年からは定職に就いていないという。

■政府や金融機関に不信感

 2009年に立ち上げられたビットコインは、違法薬物取引や資金洗浄に利用されて問題にもなっているが、金融界に革命をもたらしたとして称賛されている。
 だがニューズウィーク誌によると、一方のナカモト氏は、余暇の大部分を趣味の鉄道模型に費やし、ビットコインのコンピューターコードを開発したことから得られる莫大(ばくだい)な富を享受しているようには見えないという。

 ナカモト氏の家族は、同氏がビットコインに関与していることは知らなかったと話している。
 弟のアーサー(Arthur Nakamoto)さんは兄のことを「非常に頭が良い人間」で、「数学、エンジニアリング、コンピューターなど、何でもこなせる」と説明している。

 だが同時に家族は、ナカモト氏が、自由論を強く信じ、プライバシーを非常に重視し、政府や金融機関への不信感を持つ人間だと語っている。

 ナカモト氏が2度の結婚でもうけた6人の子どものうちの1人、アイリーン・ミッチェル(Ilene Mitchell)さんは、父親から「政府の言いなりにはならないように」と言い聞かせられて育ったと話している。

 「中本哲史」氏が2008年に執筆したビットコインの論文には、信用して手数料を支払うことが必要な金融機関を通さない電子マネーシステムの必要性が強調されている。

■コード開発の報酬はビットコイン

 論文には
 「必要なのは、信用ではなく暗号化された証明に基づく電子取引システムであり、これにより希望する二者が信用できる第三者機関を介さずに直接取引できるようになる」
と書かれている。

 アナリストらは、論文で考案されているネットワーク構成について、中央銀行を通さずにビットコインを発行でき、取引記録を保ちつつも分散計算を通じてユーザーの匿名性を保てる点で、非常に優れていると話している。

 ビットコイン財団(Bitcoin Foundation)の主任研究員ギャビン・アンドリーセン(Gavin Andresen)氏はニューズウィーク誌に、サトシ・ナカモトという名の男性と1年間にわたりネット上でやりとりをしてビットコインのコードを改良したと話している。
 だが、電話で話したことはなく、男性の私生活については何も聞かなかったという。
 「彼は、自分の匿名性を保つために非常に気をつかっていた」
 「わたしたちはコードについてしか話さなかった」

 ニューズウィーク誌によると、オリジナルコードの開発者らへの報酬は全てビットコインで支払われた。
 ナカモト氏に支払われた報酬は現在の相場で4億ドル(約412億円)になっているとみられるという。

 同誌は、ナカモト氏自身の写真の他、米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス東郊のテンプルシティー(Temple City)にある自宅や自家用車のトヨタ・カローラ(Corolla)の写真を掲載。
 自宅には取材陣が詰めかけており、読者からは、プライバシーを求めていたナカモト氏の実名や自宅の場所を公表した執筆者のリア・マグラス・グッドマン(Leah McGrath Goodman)氏を非難する声が上がっている。(c)AFP



SankeiBiz 2014.3.8 05:00
http://www.sankeibiz.jp/business/news/140307/bsk1403072218004-n1.htm

ナカモト氏、ビットコイン関与否定 「生みの親」報道、広まる臆測


●香港に開業したビットコイン販売店で、開店祝いのビットコインが当たる福引券に書き込みを行う女性=2月28日(ブルームバーグ)

 米誌ニューズウィークは6日、仮想通貨ビットコインの考案者は米カリフォルニア州在住の男性だと報じたが、この男性は同日、ビットコインとの関わりを全面的に否定した。
 この報道で、「生みの親」の姿は本当はどうなのか新たに焦点が当たっている。

 インターネット上で流通するビットコインの元となった2008年の論文や初期のソースコードは「サトシ・ナカモト」を名乗る人物が発表した。

 この名前は1人または複数のプログラマーの偽名と考えられてきたが、同誌は6日の特集記事で、サトシ・ナカモト氏は同州テンプルシティーに住む64歳の日系米国人男性、ドリアン・S・ナカモト氏だと分かったと伝えた。

 記事によるとナカモト氏は日本で生まれ、カリフォルニア州立工科大学を卒業。機密扱いの軍事プロジェクトに携わる複数の防衛企業に勤め、最終的には米連邦航空局(FAA)で働いていたという。
 1973年に「サトシ」から現在の名前に変えたとされる。

 しかし、この報道から数時間後、自宅前に姿を見せたナカモト氏は、報道陣に
 「ビットコインには関わっていない」
と主張した。

 その後、同氏はAP通信の記者とともに車で近郊にあるすし店に移動。
 ほかの記者らが追ってきたため、店を出て今度はロサンゼルス中心部にあるAP通信の支局に向かった。

 ニューズウィークの記者によれば、ナカモト氏は記事の発表前に応じたインタビューで
 「私はもはやビットコインに関わっていないので、話すことはできない」
と語っていたとされる。

 しかし、2時間にわたる単独インタビューを行ったAP通信が伝えたところによると、ナカモト氏は自分は誤解されたと説明。
 「あたかも私が以前ビットコインに関与していたが、いまはそうでなくなったかのような印象を与える。
 これは私が言おうとしたことではない」
と述べた。
 ナカモト氏は息子に記者が接触した先月までビットコインのことを聞いたことがなかったと語ったという。

 とはいえ、今回の報道はビットコインの支持者の間で驚きや疑問を引き起こしている。
 ビットコインのコードをめぐりナカモトを名乗る人物と協力したことがあるフィンランド人プログラマーはツイッターで
 「強い興味をそそられた。だけど、サトシは僕が想像していたのとそんなに違わなかった」
とコメントした。

 一方、ビットコイン関連の新興企業の育成に関わる米ブーストの幹部は記事について「立ち入ったもの」と不快感を表明するとともに、ずっと匿名でありたいのならなぜ論文で実名を使ったのか意味不明だと述べた。
(ブルームバーグ James Nash、Carter Dougherty)



東洋経済online 2014年03月13日
http://toyokeizai.net/articles/-/32820
小幡 績 :慶應義塾大学准教授


●政府や、日銀・黒田総裁は「通貨ではない」といった。果たして、ビットコインの正体とは?本当に通貨ではないのか(ロイター/アフロ)

ビットコインという「通貨」の正体
なぜ日銀・黒田総裁は「通貨でない」と発言したのか

 ビットコインは通貨か。
 ビットコインは、バブルになっているか。
 ビットコインとは何か。

 このコラムは、いつも日銀金融政策決定会合後に書くことになっているわけではない。
 だが、黒田東彦・日銀総裁も政府見解に続いて「ビットコインは通貨ではない」、とコメントしたことから、議論をここでもしてみたい。

通貨とは?貨幣とは?通貨と貨幣の違いとは?

ビットコインは通貨である。

 なぜなら、通貨は通貨であるから通貨なのである。
 ここで、通貨と貨幣の違いに疑問が生じるかもしれない。
 私はいつもは、貨幣は貨幣であるから貨幣なのである、と言うからである。

 もちろん、これは恩師である岩井克人氏の言葉である。

 貨幣と通貨の違いについては、いくつかの考え方、定義があるが、通貨とは「通用する貨幣である」としよう。
 そうなると、通用しない貨幣というものが存在しないといけない。
 しかし、貨幣が貨幣であるのは、それが貨幣であるからだ、という論理に寄れば、通用しない貨幣は貨幣ではない。

 すなわち、貨幣が貨幣であるのは、人々がそれを貨幣とみなし、貨幣として受け取ることによるのであり、受け取り手が貨幣だとして受け取らなければ、それは金であろうが銀であろうが、貨幣でない。

 だから、法定通貨であっても、アルゼンチンペソをアルゼンチン国民の誰もが受け取らず、米国ドルで取引をするようになれば、法定通貨、つまり、法律で通貨であると定められたアルゼンチンペソは、その場面では、貨幣でなくなる。
 通用しない通貨となるのである。だから、これは通貨ではない。

 この点で、ビットコインは、それが通貨だと思う人々にとっては通貨であり、そうでない人にとっては使う必要のないモノであり、通貨ではない。

 日銀や政府が、これは通貨ではない、といったとき、これは当たり前のことで、刑務所でタバコが貨幣として機能したり、第二次大戦中や終戦直後、コメが通貨の代わりに使われたとき、それらは、もちろん法的には通貨ではないが、使っている人々にとっては通貨なのである。

  同じようにして、ビットコインと通貨として受け取る人々がいる世界においては、それは通貨なのであり、ビットコインを通貨として使おうとする人々は、それ を通貨として受け入れる人々を探すだけであり、彼らのコミュニティ、ビットコインコミュニティが出来上がり、その中では、ビットコインは通貨中の通貨、通 貨そのものである。

■「ビットコインコミュニティ」の正体

 ここで面白いのは、このコミュニティ=ビットコインコミュニティとは、ビットコインを通貨として使うことだけからできあがっている。
  いわゆるギーク(昔は「ガリ勉」という意味だったが、いつのまにか「コンピュータオタク」などの意味に転用されているが)が多いとか、特徴があるとして も、それは結果としての現象であって、コミュニティを形作っているのは、ビットコインを通貨として受け入れるという事実だけだ。

 これは「国家とは、通貨の発行権を得るための機構である」、という考え方があるが、それと同一の現象となっている。
 国家とは、経済圏を武力あるいは他の手段を通じて国家という枠組みと重ねることにより、通貨を使うことを強制し、それにより、通貨発行権を所持することのメリットを最大化しようとするものという、国家の捉え方である。

  したがって、国家の領土を拡大する戦争とは、物理的な資源や土地、戦略上の要地を獲得するという目的と同時に、内的には、あるいは経済的には、自国通貨の 流通範囲を広げ、通貨の流通量、使用量を増やすことにより、通貨を発行することによる利益を増大させることになるのである。

 こうなると、物理的に戦争をする必要もないし、国家という範囲を広げる必要もない。
 通貨を通貨として使わせれば十分なのである。
 米国経済や金融市場の発展は、米国に軍事力に変わるパワーをもたらしたし、欧州の復活はEUによるものではなく、ユーロによるものだ。
 パリバショック、リーマンショックでユーロという規模のある強い通貨を使うことのメリットを誰もが強く感じたはずであり、その後、EUはユーロの通貨価値を守ることを最優先とし、短期の景気刺激は放棄し、それにより、経済的にも復活してきたのである。

 したがって、ビットコインはビットコインを通貨とする人々のコミュニティに置いては、それは通貨であり、通貨そのものである。

 しかし、それは、たとえば、ネットゲームにおけるコインやアイテムと何が違うのか、ということになると、本質的には同じ、ということになる。
 コインやアイテムも、一定の範囲で一定期間継続してそのコミュニティの中で受け入れられ、またそれをコミュニティメンバーが期待しているのであれば、それは紛れもなく通貨である。

 ここで次の問題に移らないといけない。
 ビットコインをもてはやすだけでなく、実際に保有している人々、彼らにとって、ビットコインは本当に通貨なのだろうか。

■通貨における、最も重要な点とは? 

 「これまでの議論で、お前がそう言ったではないか」、と言われそうである。
 だが、ビットコインを通貨として受け入れる人々の間ではそれは通貨であるのであって、ビットコインを通貨としてではなく、別のモノとして保有していれば、それは通貨ではないことになる。

 これが、実は、政府や日銀の公式見解の考え方である。
 通貨とは、幅広いモノの取引の決済に使われるものであって、そうでない限り、それは通貨ではないのである。
 これは金も銀も同じだ。

 では、ビットコインを保有している人々は、ビットコインを何として保有しているのか。
 それは間違いなく金融資産として保有しているのである。

 金融資産とは何か。
 それは、将来、第三者である他人に売ることを、それもある程度幅広い候補者のいる市場で売ることを想定している資産のことである。
 流動性の高いものもあれば低いものもあるが、転売可能性を視野に入れている資産はすべて金融資産である。

 だから、ゲームにおけるコインもアイテムも、転売可能であれば、それは金融資産である。
 交換が頻繁に起こればそれは通貨であり、将来への投資、投機を視野に入れて、売ることを考えていれば金融資産である。

 これが通貨におけるもっとも重要な点である。
 つまり、通貨とは金融資産であり、特殊な金融資産であるに過ぎないということである。

 すなわち、通貨は、モノの取引媒介手段としても使われるが、貨幣の決済機能とは、貨幣の価値が失われない、すなわち貨幣の価値保蔵機能が高いことにより支えられている。
 そうでないと、受け取ってもらえないからだ。

 受け取ってもらえるということ、つまり「貨幣の信用」が決済機能と価値保蔵機能を支えているように見えるが、逆も真なりで、この両者が貨幣の信用を作っているのだ。
 これが、「貨幣が貨幣であるのは貨幣が貨幣であるから」であり、貨幣が貨幣であることにより、貨幣として使われると貨幣はより貨幣になる、という岩井克人氏の自己循環理論なのだ。

 ここで、価値尺度はどうでもいい。
 価値尺度として使われることは、法律で法定通貨と規定されるのと同じことで、貨幣が貨幣として使われるきっかけとはなるが、そのきっかけの一つの要素に過ぎない。
 アルゼンチンや過去のブラジル、エクアドルで実質的に自国の法定通貨ではなく、米国ドルが使われていたのと同じことだ。
 かつての共産圏に旅行した場合に、実質的には米国ドルを使うのと同じことである。

 だから、ビットコインが価値尺度として機能しなくても、それが通貨であることを妨げない。
 だから、ビットコインの価格が急騰し続けたり、乱高下したりすること自体が、ビットコインが通貨でなくなること、通貨として機能しないことを意味しているのではない。
 そうではなく、保有している人々が、ビットコインを決済通貨として使うことを拒否していることが、ビットコインが「通貨でない金融商品」としている理由なのだ。

 決済通貨であれば、取引所は要らない。
 取引に使うのだから、取引所は要らないのだ。
 取引所がいるということは、それは別の通貨と取引することが必要だからであり、それは売ることが必要なのであって、決済に使わない通貨、あるいは金融投資商品として投機的にのみ使うということなのだ。

 実は、ドルなどの通貨が通貨でなくなる瞬間はある。
 それは資産防衛のために、貴重なドルを守ることに人々が走った場合だ。
 超インフレになった場合は、資産を防衛するために、土地か米国ドルに走る。
 これが新興国や途上国における金融危機の対応であるが、政府も信用できなければ、土地は流動性もなく、売れる保証はないので、やはり米国ドルに走る。
 そして、ドルの量が限定的であれば、それは誰も使わず、資産防衛のために保蔵する。
 しかし、保蔵されれば、流通はなくなるので、それは、信用は失われないが、通貨であることをやめる。

 では、このとき、ドルは現地通貨に対して暴騰することになるか。
 実はそうはならない。
 なぜなら、誰もドルを現地通貨に交換しようとはしないから、価格が付かないのだ。
 だから、市場価格の暴落は止まるが、それは価値が回復したのではなく、価値がゼロになったため、取引されないだけである。

■通貨の形を装った、投機用の金融商品

 ビットコインは、通貨としては機能しない。
 通貨の形を装った投機用の金融商品として使われている。
 だからこそ、取引所に預けるのであり、交換するのではなく、利益確定売りをする人と、投機買いをする人が、やり取りするだけなのだ。

 この中で、価格が大幅に上昇を続けたことはどのような意味を持つのか。
 それは、発行者あるいは初期に保有した人々が(技術的には採掘というメカニズムで、常に誰でも自分で発行できる可能性があることになっているが、実質的には、初期の取得者と考えて良い)価格暴騰の利益を独占しているということだ。

 その中で、今から市場に参加して取引をするということは、投機的需要で保有している人々から、その貴重なバブル市場の売買投機ゲームに参加するチケット、つまり、ビットコインというバブルになっている金融資産を奪わないといけない。
 売りたくない人々から買うわけであるから、それは価格が上がっていく。
 上がるしかない。

 これは、バブルそのものであり、バブルの典型的現象だ。
 そして、ビットコインは、バブルにおけるもう一つの特徴、バブルのピークあるいは崩壊前に乱高下するという現象にもぴったり当てはまる。
 しかし、なぜ乱高下するのか。
 それは、売りが出てきたからである。
 買いたい意欲一辺倒のところへ、売りたい人々が出てきたということだ。

 これは発行者、あるいは初期保有者の出口としてなのかどうかはわからないが、
 そろそろ潮時だ、と思う人々が存在するということであり、
 貨幣であるにせよ、単なる金融資産であるにせよ、
 潮時だと思う人々が出てきて、これまで大幅に上昇するときというのは、バブルの末期である
と考えるのが普通である。

 派手に盗難が起き(実態はさらに怪しい可能性があるが)、動いているということも、
 そろそろ抜けるべきだと考える別の人々がいることを示している。

 したがって、ビットコインとは、その技術的構造がいかなるものであったとしても、
 通貨でありながら、投機としてしか意味のないものであり、夢の通貨でも、未来の通貨でもなく、幻想による金融資産であり投機商品なのである。
 そして、それはビットコインに固有のものではなく、通貨を含むすべての金融資産に置いて、多かれ少なかれ存在する問題である。
 ただ、ビットコインがもっとも崩壊するための条件がそろっているというだけのことだ。




2014年3月3日月曜日

浅田真央 女子フリープログラム 【ソチ五輪】

_

浅田真央 女子フリープログラム 【ソチ五輪】

 公開日: 2014/02/21
【ソチ・オリンピック】女子フィギュアフリープログラム浅田真央の演技 142.71点(自己ベスト)



Zijun Li 2014 4CC SP & FS (without K&C)

 公開日: 2014/01/25
SP: Danzarín by Tango Lorca ( 62.84 = 35.81 + 27.03 )
FS: Coppélia by Léo Delibes ( 118.72 = 61.46 + 57.26 )

_