2014年2月26日水曜日

4メートルを超える生きたダイオウイカが捕獲される 


4メートルを超える生きたダイオウイカが捕獲される 兵庫(14/02/25)

 公開日: 2014/02/25
漁港に現れたのは、4メートルを超える生きたダイオウイカ。子どもたちも参加しての大­捕獲作戦が行われた。
水面で太い腕を動かしているのは、ダイオウイカ。


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2014年2月24日月曜日

「読む機械」による革命は未来に何をもたらすか:5つの未来を予想してみよう

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CNNニュース 2014.02.20 Thu posted at 09:43 JST
http://www.cnn.co.jp/tech/35041778.html?tag=cbox;tech

「読む機械」による革命は未来に何をもたらすか


●人間のチャンピオンを破った人工知能「ワトソン」

(CNN) 米コンピューターサービス大手のIBM社が開発した人工知能「ワトソン」は2011年、クイズ番組「ジョパディ!」で人間のチャンピオンに勝利し、世界を驚かせた。

 ワトソンは学習能力を持つコンピューターであり、数百万冊相当の書籍を「読む」ことにより、膨大な知識を収集・分析・創造できる。人工知能が読み込むテキストデータは今後も増える一方だ。

 このような「読む機械」がもたらす革命は今後10年、私たちの生活をどう変えていくのだろうか。
 5つの未来を予想してみよう。

1].科学者を助ける

 人工知能が科学的なテキストを読めるようになり、病気の治療や地球温暖化の解決に新たな突破口を開く。

 アレン人工知能研究所で行われているプロジェクトでは、ワトソンに似たソフトウエアを開発中だ。
 コンピューターは、教科書から「学び」、質問し、結論を引き出せるようになるだろう。
 科学者を大いに助けるはずだ。

2].質問に答える

 モバイル端末に質問すると、簡潔にして要を得た回答がその場で返ってくるようになる。

 アップル社の「Siri」やグーグル社の「Now」のようなプログラムは既に、簡単な質問に回答できる。
 コンピューターに回答可能な範囲は、今後10年で飛躍的に拡大するだろう。
 データベース化された既存の知識だけでなく、インターネット上の情報も新たに抽出・合成した上で、的確な答えを返すのである。

3].ネット通販のコンシェルジェになる

 人工知能が自動コンシェルジェの役割を果たし、消費者の助けとなる。

 個人の趣味嗜好を把握した上で、インターネット上のすべての評判を読み込み、最適な商品を推薦するのである。
 静かなホテルを探したい場合、現状では自分で多種多様なサイトを吟味しなくてはならず、数時間かかってしまう。
 コンピューターがすべての評価を自動的に読み込み、分析することで、本当に1クリックで自分にぴったりの商品を買えるようになるだろう。

4].医療アシスタントとして活躍する

 病院で診察を受けたその場で、あるいは自宅に居ながらにして、「セカンド・オピニオン」を聞くことができるようになる。

 医学は絶えず発展しており、最先端の研究についていくのは医師にも難しい。
 コンピューターがアシスタントとして医師を助けることで、薬の危険な副作用などを警告できるようになるだろう。

5].リアルタイムの統計をはじき出す

 10年以内に、保健や経済に関して、信頼にたる統計をリアルタイムで入手できるようなる。
 現状、病気のパンデミック(大流行)や経済情勢については、事後的に知るより他ない。

さ まざまな大学で現在、食中毒の発生の監視をはじめ、雇用統計やインフレ率についての研究が進められている。
 近い将来、政府発表と同程度のデータが即座に手に入るようになるだろう。

 私たちは最近、シアトルにアレン人工知能研究所(AI2)を開設したばかりだ。
 「読む機械」に関する研究開発が主な目的だ。
 今後10年以内に、「ビッグ・テキスト」から得られた情報が、いつどこでも入手できるようになるだろう。
 「読む機械」が革命を起こす日は、もうすぐそこだ。



本記事は、ポール・ガードナー・アレン氏とオレン・エツィオーニ氏が共同で寄稿したものです。アレン氏は、米マイクロソフト社の共同創業者で、アレン人工知能研究所の設立者。エツィオーニ氏は、アレン人工知能研究所のエグゼクティブディレクターを務める。記事における意見や見解はすべて両氏によるものです。




2014年2月20日木曜日

国が富むほど貧困者が増える不思議高止まりする失業率:

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JB Press 2014.02.20(木)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39975

国が富むほど貧困者が増える不思議高止まりする失業率、
デフレ懸念は深刻化~北欧・福祉社会の光と影(40)

 欧州ではデフレ懸念が深刻化している一方、1月31日に発行されたユーロスタット(欧州連合=EU=統計局)の報告書によると、失業率はユーロ圏17カ国で過去最高のまま、他の欧州国も高率にとどまっている。

 最近のメディア上の経済記事では「欧州は2008年からの経済危機から脱した」という向きもあるようだが、一部統計や生活実感からは、危機から脱したとは到底言えないようだ。

 
http://epp.eurostat.ec.europa.eu/statistics_explained/index.php?title=File:Euro_area_inflation_and_its_main_components,_%28%25%29_February_2012_-_January_2014-e.png&filetimestamp=20140131111923

 失業の増大と収入の減少による消費支出縮小の影響により、物価上昇率は低下し続けている。
 1月のインフレ率は0.7%と過去最低を記録し、欧州中央銀行(ECB)が設定した2%弱というインフレ目標を大きく下回っている。

 2月2日付フィナンシャル・タイムズ紙の「『危機が終わった』との見方も、もはやこれまでだ」という書き出しで始まる記事は、欧州のデフレ危機を予測し、こう書いている*1。

 「多くの新興経済国が危機を深化させていることは、最近のトルコやアルゼンチンの通貨の価値急落で表された。
 危機の深化は、完全なデフレ、すなわち、実質価格の下落に欧州を導く可能性がある」
 「デフレ突入寸前の国にとって、隣国の通貨危機ほど起こってほしくないものはない。
 そして、これはギリシャとキプロスだけではなく、ユーロ圏全体の問題だ」

 
http://epp.eurostat.ec.europa.eu/statistics_explained/index.php?title=File:Unemployment_rates,_seasonally_adjusted,_December_2013.png&filetimestamp=20140130142558

 昨年12月のユーロ圏の失業率は12%と、過去最高を記録し推移している。
 国別ではギリシャ27.8%、スペイン25.8%と、緊縮財政プログラムの対象となっている国で最も高い。
 1年間の上昇率が最も高い国は、キプロス(17.5%)、ギリシャ(27.8%)、オランダ(7.0%)、イタリア(12.7%)である。

■ユーロ圏の失業者数は公式統計よりずっと多い?

 だが、ブルームバーグ・ニュースのリポートは、このユーロスタットの数値は失業者数を大幅に過小評価したものだとしている*2。

 ユーロスタットの失業率は、前の4週間に積極的に仕事を求めていて、次の2週間以内に就業を開始することが可能である人だけがカウントされており、昨年第3四半期の失業者数を1900万人としている。
 ブルームバーグは、ユーロスタットの数字に加えて職探しをあきらめたり仕事にすぐに就業できない人も含めた失業者数を、3120万人と算定している。

 欧州の雇用危機に関して、世界の政財界エリートの経済会議であるダボス会議中にインタビューを受けたアンヘル・グリア経済協力開発機構(OECD)事務局長は、こう言った。

 「問題は、ジョブ、ジョブ、ジョブだ。
 若い世代は非常にイライラし、政治的に爆発寸前で、危険な不安定要因が蔓延している」

 ブルームバーグの記事は、ユーロ圏第3位の経済国イタリアのケースを挙げ、420万の失業者が公式の失業統計に含まれていないとしている。
 この数字を加えると、イタリアの失業率は24%以上と、ほぼ倍増する。

 記事に登場する30歳のジュゼッペ・ディ・ジリオさんは、イタリアの失業統計には含まれない420万人の1人だ。

■「仕事があっても生活できない」

 「私は生き残るために死ににいくような仕事をしたくない」。
 電子工学の学士号を取得しており、ナポリの近くの町で両親と一緒に住んでいるディ・ジリオさんはこう言う。
 彼は生活費を稼ぐためだけの仕事はしたくないと言い、大学院での研究を放棄して以降、求職のための履歴書を一通も送っていない。

 記事内には詳述されていないが、筆者自身が職探しをしていた時の経験では、一定の学歴・職歴を持つ人たちは、例えば「ホテルの清掃係」「バーテンダー」「調理師見習い」という職には応募しようとしない。
 そういうことなのだろうと思う。

 「私の友人たちは、仕事をしてもまだ両親のサポートを必要とし、多くの場合、仕事を始めた人も賃金の支払いを受けていない」
とも彼は言っている。
 「仕事をしても支払いを受けていない」
とは、一体どういうことなのだろう。

 EUの報告書は、イタリアの労働者の12%以上が給料で生活することができないと指摘している。
 これはルーマニア、ギリシャに次いで高い割合だ。

 東欧、南欧の失業率の数字は壊滅的だが、さらに今、明確になりつつあるショッキングな事実は、
 「仕事をしていても給料で生活できない」、
 つまり問題は単に「ジョブ」ではないということだ。

 東欧、南欧のみならず、現在は英国やドイツなどの西欧中核国でも、失業していなくとも「貧困線」以下に陥る人が増えている。
 つまり、失業率が「低い」国でも、人々の生活は壊滅的な状況にあるという事実が明らかになっている。

■ワーキングプアが急増する英国

 ジョセフ・ラウントリー財団の報告書「貧困と社会的疎外のモニタリング2013*3」によると、英国では、2011~12年には1300万人が貧困状態にあり、
 「貧困にある人々の半数以上は勤労者世帯である」
 「これらの家族の大人の3分の2は仕事をしている」
と書いている。

 貧困者の大半が職を得ているにもかかわらず貧困であるのは記録上初めてだ。

 同リポートが指摘する貧困層の増大の原因は、福祉政策の改悪と低賃金労働者の増加、さらに消費財の価格上昇である。
 2002年から2012年の間に、消費者物価指数(CPI)は29%上昇した。
 最大の価格上昇は、光熱費や輸送費、家賃だ。この10年間で、電気、ガス、その他の光熱コストは140%、水道料金は69%上昇した。

 報告書は、現在の貧困統計の「静かな水面」下には「下方向に鋭いシフト」が隠れており、賃金は物価と比較して落下を続け、来年は利益の実質的な価値はさらに落ちるとし、 
 「下方シフトは下方スパイラルになりつつある」
と警告している。

 また英国では、友人と共同で暮らしたり、親元に戻って家族と一緒に暮らす若者が空前の勢いで増えている。
 ホームレスになる若者も多い。

 2012~13年に4529人の若者がホームレスに関する援助を乞うために市民アドバイス局(CAB)に連絡した。
 2008年以来、57%の増加である。同局のレイチェル・ホームズ氏は、 
 「この増加は、景気後退がこの年齢層に与えた影響の非常に明確な指標である」
 「失業や福祉削減が家庭崩壊と、若者のホームレスの主な原因である」
と話している*4。

 ホームレス者を支援するグループ、ナイトストップのシアン・ドレウェリー氏によると、
 「多くの若者が、誰かの家のソファに寝ている。
 ソファが不足したとき、彼らは家の裏庭や公園にテントを張って居住している。
 彼らはそうする以外に方法がない」
と話している*5。

■ドイツでも進む貧富の二極分解

 ドイツでも状況は同じだ。

 共同福祉協会(Paritätischer Gesamtverband)が発表した、「繁栄と貧困の間 2013年ドイツにおける貧困の地域への蔓延」と題した報告書では、
 「ドイツでは貧困は悲惨な高記録に達しており、都市や地域全体が、これまでよりいっそう深い経済的・社会的危機に突入している」
と書いている*6。

 同協会の理事ウルリッヒ・シュナイダー氏は、リポートの公表時に
 「近年のすべての正の傾向が足踏み状態、あるいは逆転している。
 これまでドイツは、今日のように2分割されたことがない」
と発言している。
 「2分割」とは、貧富の二極分解だ。

 報告書は
 「ドイツ連邦共和国の貧困を増大させる非常に明確なパターンがある。2006年から2012年にかけて、貧困は14%から拡大し15.2%のピークに達した。この傾向は、2010年にはわずかに鈍化したが、停止せず成長を続けている」
とし、ドイツ政府は貧困は2005年以来、堅調に推移あるいは減少していると主張しているが、リポートは、これは事実と矛盾すると指摘している。




 また、報告書は、ここ数年のわずかな景気回復と失業率の低下は、働く人々の社会的状況にプラスの影響があったとする政府の公式見解が虚構であるとしている。
 報告書は、これは全く逆のケースであるとし、
  「貧困の拡大は、データによると、かなりの中期的な上昇トレンド(とともに)経済発展から・・・デカップリングされている」
と書いている。

 また、経済発展と貧困の間の相関についてこう書いている。

 「2011年に、ドイツ経済は実質ベースで3.9%成長し、さらに失業が低下したが、貧困率は14.5%から15.1%に上昇した。
 経済成長が実質ベースでわずか0.9%の伸びにとどまり、失業率が一定であった2012年に、貧困率はさらに0.1%上昇している」

 グラフからも明らかなように、ドイツの国内総生産(GDP)の拡大とともに、貧困率も上昇している。





 端的に言うと、国が富むのに従い、国内の貧困者が増える、という構造のようだ。

 上記のグラフでも、失業率が下がるのに伴い、貧困率が上がっていることが分かる。

 言い換えれば、株価ブームの利益が一部の富裕層や金融機関などのビジネスエリートに入っている間、新規に創出された雇用は低賃金労働であるということだ。
 つまり、経済の好況に伴って搾取と貧困が増加しているということになる。

 報告書は、これは
 「紛れもなく、低賃金の不安定雇用の増加を示唆している。
 労働市場政策における統計的な成功は、労働市場のアメリカ化、『ワーキングプア』の現象を犠牲にして実現されていることは明らかである」
と述べている。

 また、ドイツの16の連邦州のうち11州が、前年度に比べて数字の悪化を記録し貧困が増大している一方、全体として「リッチ」と「貧困」間のギャップが拡大しており、
 「貧困地域の事態がますます悪化し、豊かな地域では常に良くなっている」
と結論している。
 このことを同報告書は「ドイツの社会的および地域的『遠心力』が拡大している」と表現している。

 また報告書は、2011年の貧困報告書で「ドイツの特別な貧困領域として最初に確認された」ルール地方の状況を詳述している。
 ルールでは「貧困が無制限に拡大して」おり、2006年以来、500万人以上の人口を抱えるルールでの貧困は年平均0.6%で増加し、2012年には19.2%に達している。

 かつての一大工業地帯ルールの住民の約5人に1人が「貧困者」なのだ。


■危機から抜け出すどころか、ますます泥沼の深みに

 最も貧困の影響を受けたのはドルトムントとデュイスブルクの都市で、貧困率はそれぞれ26.4%、25.1%であり、
 「ドルトムントの貧困率は2005年以来42%、デュイスブルクでは約48%増加した」
 「地域全体が劇的な下方スパイラルに向かっているか、すでに陥っている」
という。

 さらに同協会は、今後数年間に劇的に状況が悪化することを予測している。
 2020年以降、「債務上限制度」が適用され、すべての連邦州が新規融資を受けることを禁止される。
 これにより州自治体が大規模な支出削減を行うことになり、すでに貧困に苦しんでいる地域の状況を特に悪化させることが予想される。

 また、州間の財政調整・移転のシステムは2019年に失効する。
 「財政的に弱い州が過去に比べて低い交付金を受けた場合、既に不安定な財政状況はさらに悪化するだろう」
 「繁栄と貧困地域間の財政的に強い州と弱い州の間の亀裂がさらに深まるだろう」
と、リポートは警告している。

 欧州経済は、危機から抜け出すどころか、ますます泥沼の深みに陥っていくようだ。

*1=http://www.ft.com/intl/cms/s/0/58bfa7ec-89e9-11e3-abc4-00144feab7de.html#axzz2tIviQfkZ
*2=http://www.bloomberg.com/news/2014-01-27/euro-jobless-record-seen-in-legacy-of-italians-giving-up.html
*3=http://www.jrf.org.uk/sites/files/jrf/MPSE2013.pdf
*4=http://www.bbc.co.uk/newsbeat/25930493
*5=http://www.gloucestershireecho.co.uk/Benefit-changes-forcing-young-people-streets/story-20545381-detail/story.html
*6=http://www.der-paritaetische.de/index.php?eID=tx_nawsecuredl&u=0&g=0&t=1393193779&hash=7caf0e92c85f9a2f8b5023ac6777bf382c1b26ce&file=fileadmin/dokumente/2013_armutsbericht/A4_armutsbericht-2013_web.pdf

 みゆき ポアチャ 在スウェーデンのジャーナリスト
埼玉県生まれ。1996年スウェーデン・ヨーテボリ大学で日本語教師、1997年ロンドン・スクール・オブ・ジャーナリズム基礎コース終了、2004年スウェーデン・ルンド大学大学院経済学修士課程終了。スウェーデン中西部のボロースでスウェーデン人の夫、子供3人と在住。共著『「スウェーデン・モデル」は有効か―持続可能な社会へむけて』(2012年、ノルディック出版)。



無視すると高くつく壊滅的な気候変動のリスク:リスクに基づくアプローチを採用せよ

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●イングランドやカリフォルニアでの極端な気候で、再び気候温暖化が議論されている(写真はイングランド南東部ダチェットで洪水に襲われた住宅街)〔AFPBB News〕

2014.02.20(木)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39991

無視すると高くつく壊滅的な気候変動のリスク
(2014年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 5年前の壊滅的な金融危機によって世界経済が景気後退に陥った後、世間では、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)の価値評価を行う際に想定に誤りのある複雑なモデルを用いていたとの理由で金融経済学者が批判された。

 この間違いはわずか数年で表面化し、激烈な被害をもたらした。
 しかし、実はこれをはるかに上回る脅威――気候変動――の経済モデルにも同様な欠陥が潜んでおり、我々を襲う危険が過小評価される事態になっている。

■経済的影響を甘く見る気候変動モデル

 イングランドの洪水やカリフォルニアの干ばつを受けて、これは気候変動のせいなのか否かという不毛な議論がまた始まった。

 しかし、かつて債務担保証券(CDO)のモデルがデフォルト(債務不履行)など起こるはずがないとほぼ想定してしまっていたように、
 気候変動の経済モデルも、地球温暖化がどれほどひどくなっても気候変動が経済に壊滅的な打撃を及ぼすことはないとほぼ想定してしまっている。

 経済学者たちは、脅威を過大評価するどころか過小評価することが多いのだ。

 あの金融危機のこと、そして極端な気候変動が生じるリスクが小さいながらも現実に存在することを示す科学的な証拠が増えていることを考え合わせれば、我々が今後進むべき道は明らかだ。

 我々は、不可知の事象の対価を正確に計測することに取り組むのではなく、発生する確率は不明だがぞっとするほど大きなコストをもたらすカタストロフ(大変動)について考え、それに対する保険をかけるにはどんな代償を払えばよいかを検討すべきなのだ。
 そうした方が、停滞している二酸化炭素排出対策をもっと楽に促進できるかもしれない。

 学界は既存のモデルに非常に厳しい評価を下している*1。
 例えばニコラス・スターン氏は、気候変動のいわゆる統合評価モデル(IAM)は
 「影響とコストは穏当なものになると即座に想定しているに近く、
 壊滅的な事態になる可能性を排除しているに近い
と記している。

 またマサチューセッツ工科大学(MIT)のロバート・ピンディク氏によれば、
 「ほとんどのIAMのダメージ関数は理論や観察による根拠のない完全な創作である。
 それがここでの結論だ
という。

*1=‘How should we model climate change?’, Journal of Economic Literature, September 2013

 これらのモデルを軽視することはできない。
 米国のオバマ政権が石炭の規制に当たって用いている、二酸化炭素の社会的費用は1トン当たり36ドルだという推計の背景にあるのはこれらのモデルだからだ。

 確かに、モデルが何もないよりはましだ。
 また、世界が気候変動を無視するのであれば、これを上回る推計値が出ても大きな影響がすぐに及ぶことにはならないだろう。
 ロビイストたちは既に、36ドルは高すぎると訴えるために列をなしている。

■金融危機の教訓

 しかし、先の金融危機で得られた教訓ははっきりしている。
 経済学者はこの問題をありのままに語るよう努めるべきだ。
 そのうえで、愚か者や与太者、政治家などが何も手を打たないことを一生懸命に正当化しようとするのであれば、好きにさせておけばいい。
 地球温暖化の代償を軽視する者は、いずれ歴史から厳しい裁きを受けることになるだろう。

 経済モデルが不完全であることは避けられない。
 そもそも、データの供給元である気候モデルよりもデータを受け取る経済モデルの方が正確になるということはない。
 これから生まれる将来の世代の暮らしを改善するために現代の我々はどれほどの犠牲を払うべきかという点については、しっかりした根拠のある議論もある。

 だが、そこでなされている、気候の温暖化が進んでも国内総生産(GDP)には穏当な影響しか及ばないという実に楽観的な想定には、それほどの根拠はない。

 この想定はいろいろな形で効いてくる。
 ほとんどのモデルにおいて、気候変動による経済成長の大幅な鈍化は起こり得ないことになっている。
 GDPは拡大し続け、そこからダメージを差し引くという計算方法なのだ。
 そのダメージは、気候がどれだけ温暖化するかによって決まる。
 しかし、問題は、 
 GDPは複利でどんどん成長するため、気候変動によるダメージをほぼ自動的に上回るということだ。

 例えば、世界経済が今後100年間、年率2%のペースで成長する場合、世界経済の規模は7倍以上に拡大する。
 気候変動によるダメージでその半分が失われると予想されるとしても、世界経済はまだ今の3.5倍大きいことになるのだ。
 この問題については、一部の経済学者が取り組んでいるように、気候変動が経済成長率に影響を及ぼすようにするというアプローチが考えられるだろう。

 損害の試算が穏当になる傾向があるのは、これらのモデルは小規模な変動の実証研究に基づき、最初の数度の温暖化を想定して築かれているからだ。
 住宅価格の小幅な下落に対する経済の回復力の分析のようなものである。
 こうしたモデルを気候変動の極端なケース(現在の炭素排出の軌道からして、あり得るケース)に当てはめると、馬鹿げた結果が出たりする。

 例えば、摂氏20度相当の温暖化でGDP比50%超の損害を想定している標準的なモデルは1つしかない。
 ここに将来は経済が今の何倍にも拡大しているという前提を加えると、問題ははっきり分かるだろう。
 あなたの孫たちはロンドンの地下鉄で茹で上がっているかもしれないが、こうした経済モデルは孫たちを死んだと見なすのではなく、あなた方より豊かだと見なすのだ。

 話はここで終わらない。
 大半のモデルがこのような試算を弾き出す理由は、温暖化の極端なケースをほとんど考慮に入れないからだ。
 一連のモデルは気候変動を所与のものとして受け止め、それを経済的影響と今日の炭素価格に転換する。
 例えば、推定が2度の温暖化だとすれば、これに基づき炭素に値段をつける。

 これはちょうど、すべての住宅ローンが同時にデフォルトする可能性を無視したサブプライム時代の分析のようなものだ。

リスクに基づくアプローチを採用せよ

 それより優れたアプローチは、カタストロフのリスクに焦点を合わせ、新たに情報が出てくるに従い、モデルを更新することかもしれない。
 前出のピンディク教授は、アナリストらが熱核戦争がもたらす結果を検討した冷戦時代との類似を引き合いに出す。
 当時は、軍縮協定について交渉する際にそうした分析結果が利用された。

 金融危機の後、世界は、新たなメルトダウンが起きる確率とそれがもたらすダメージを試算するために極端に複雑なモデルを構築しなかった。
 政策立案者らは単に、米ドッド・フランク法などの規制は危機再来を防ぐための小さな代償にすぎないことを認めただけだった。
 今度は、金融危機よりも大きな気候変動の問題に対して、似たようなリスクに基づくアプローチを採用すべきだ。

By Robin Harding
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2014年2月16日日曜日

ブラジル公文教室:学習者数が16万人突破、公教育を補う役割も

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2014.02.15(土)  ニッケイ新聞(ブラジル日系紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39946

海外の日系紙
ブラジル公文、学習者数が16万人突破教育への関心高まり受け、公教育を補う役割も
ニッケイ新聞 2014年2月6日

 ブラジルの学習塾のパイオニア「ブラジル公文」の学習者数が直近5年間で6万人増え、昨年5月に過去最高の16万人を突破した。
 1977年に教室展開を始めて37年目。
 ここ数年で飛躍的に成長してきた要因は、「企業努力」と「教育への関心の高まり」と現地社長の喜多川直也氏(51、大阪)は語る。


●喜多川直也社長

 特に「指導者の力量を上げる」地道な努力が功を奏し、2012年にはグローボ出版の雑誌「Pequenas Empresas & Grandes Negocios」で「ミクロフランキア賞」も受賞。
 当地にしっかり根を張る日本発・公文の魅力と今後を聞いた。

 「どんどん教室を開いて宣伝すれば、生徒は増える。
 でも長い目で見たら、質を強化しないと生徒は減ると思った」
と喜多川社長。

 教材も指導法も世界共通だが、
 「公文独自の指導法をより深く学べた指導者が、子どもをより伸ばすことができる」
との基本に立ち返り、普及や教室設備の質向上と共に、研修を通じ、教室を指導する社員と指導者の力量を高めるという地道な方策を採った。

 それが着実に学習効果を上げ、公文入会最多の動機である“口コミ”が増えるという好循環を生んだ。
 一昨年までの3年間の年間増加率は10%以上。
 「リーマン・ショックで世界的に生徒数が伸び悩んだ時も、ブラジルでは7%の成長があった」
ほどの勢いだ。
 学習者数は日本、アメリカに続き3番目、教室数は約1500。

 元々は日系の学習者が多かったが、今はほとんどが非日系。
 その中心はA層(平均所得の目安は月額約50万円)、B層(同16万円)だが、「C層(同6万円)も関心を持ち始めている」という。

 また、自分のペースで学習でき、早ければ4~5年で最終教材(高校卒業レベル)まで到達できるため、
 「家庭によっては、早めに入会させた方が学校で有利だと気づきはじめている」。
 一番多い年齢層は11歳前後だが、こうした状況を受け低年齢化傾向にあるという。

 科目は生徒数が多い順に数学、ポ語、英語、日語。
 授業料は1科目につき週2回で月会費が130レアル台~200レ以上(地域・教室による)と、家庭教師を雇うよりはるかに低価格だ。

 当地には、数学や国語を学べる民間教育機関はほとんどなく、
 公立学校も授業時間数が少ないなど問題があるためか、
 公文が公教育を補う役割も果たしている。
 働きながら大学進学やスキルアップを目指す社会人の学習者も多い。「学校の先生が生徒に公文を勧めてくれることもある」(喜多川社長)。

 とはいえ、文化的差異が逆風になることも。

 「公文は学年を超えて続けてこそ本来の良さが出る。
 でも、長期休暇中、『子どもに勉強させるのはかわいそう』という風潮があるので長く続かない」。

 日本での平均在籍期間が3年程度なのに対し、当地では1年半ほど。
 だから「どの国より指導力を追求する」ことで学習者の定着を図っている。

 公文式数学の知名度の向上に伴い、今後はポ語や英語、幼児教育の普及も強化していくという。

 本社「日本公文教育研究会」は1958年大阪市に創立。「公文式」と呼ばれる独自の教育法でフランチャイズ展開している。
 学年を問わず、自分の学力にあったプリント教材を自分のペースで進める「自学自習」形式を取る。
 通塾は週2回、その他の日は持ち帰った宿題で家庭学習を行う。
 教科は算数、国語、英語が中心。

 国内の学習者数は147万人。
 国外では47カ国に普及しており、286万人が公文を学ぶ。

(ニッケイ新聞・本紙記事の無断転載を禁じます。JBpressではニッケイ新聞の許可を得て転載しています)



2014年2月12日水曜日

豪州の自動車製造業にピリオド:トヨタが撤退

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レコードチャイナ 配信日時:2014年2月11日 22時16分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=83207&type=0

トヨタが撤退、豪州の自動車製造業にピリオド―中国紙

 
●10日、トヨタ自動車は2017年末までにオーストラリアでの自動車・エンジンの生産を中止すると発表した。オーストラリアは最後の自動車メーカーを失うことになり、同国の自動車製造業にピリオドが打たれる可能性がある。写真はトヨタ車。

 2014年2月11日、人民日報によると、トヨタ自動車は10日、2017年末までにオーストラリアでの自動車・エンジンの生産を中止すると発表した。
 オーストラリアは最後の自動車メーカーを失うことになり、同国の自動車製造業にピリオドが打たれる可能性がある。

 トヨタは1963年にオーストラリアに工場を建設した。
 トヨタの2013年のオーストラリアにおける自動車生産台数は10万6000台に達し、2012年より4.8%増加した。
 今回の撤退により、オーストラリアの約2500人が職を失うことになる。
 オーストラリアの製造業は数年にわたり低迷を続けている。

 フォードは2013年5月、2016年にオーストラリアの2軒の工場を閉鎖し、現地での自動車生産を中止すると発表した。
 ゼネラル・モーターズ(GM)も同年12月、2017年にオーストラリアでの自動車生産を中止すると発表した
 オーストラリアの自動車製造業も、国産ブランドのホールデンに別れを告げようとしている。

 フォードとGMがオーストラリアの生産中止を発表すると、トニー・アボット首相は「トヨタの自動車工場がオーストラリアに留まることを願う」と呼びかけた。
 しかし豊田章男社長は10日、
 「オーストラリア撤退は苦しい決定。
 激化する市場競争、豪ドル高、オーストラリアの自動車製造規模の縮小の流れといった不利な要素がオーストラリア撤退を決めた主因だ」
と語った。

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